「3」事例2 子供がいない夫婦の場合

 

1)遺言による方法

                   

 私は70代の女性です。私たち夫婦には子供がいません。

 私には親から受け継いだ土地があります。

 

 その土地は人に貸しており、毎月賃料が入ってきます。

 私たち夫婦はその賃料で生活しています。

 

 私が亡くなったら夫に相続して貰いたいので、遺言を作りました。

 

 夫が亡くなったら夫の姉が相続することになりますが、それは困ります。

 なにか良い方法はありませんか。

 

 子供がいない夫婦の場合「妻が死んだら夫」「夫が死んだら妻」という遺言を

互いに作成することはよくあります。

 

私が先に死んだら夫が相続することになります。

 

夫が遺言により妻の財産を相続した後は、夫の固有財産になるため、夫はい

つでも売却することができるようになります。

 

夫が死んだら夫の姉に相続する権利が発生します。

 

これを避けるためにも、私の妹の子(姪)に渡るよう遺言をすることもでき

ます。

 

 しかし、遺言は何時でも取り消すことが可能です。

 

夫は妻に先立たれ、一人で老後を過ごすことになりますが、当然、実の姉の家を往き来することも考えられます。人生、何が起こるか判りません。

 

 

 2)家族信託で解決する。

 

家族信託なら受託者を姪 (管理の権限)

 

当初受益者を私(賃料を受け取る人)

 

第二受益者を夫(私の死後、賃料を受け取る人)

 

第三受益者を姪(夫死亡後、最終的に所有権を取得する人)

 

 

と指定すれば、夫の姉に相続されることは絶対にありません。